急に生ハムが食いたくなったので - BERG
2025年11月28日の農林水産省の発表でアフリカ豚熱の影響でスペイン産豚肉の一時輸入停止措置が取られることになった。
アフリカ豚熱の輸入停止措置は数年単位に及ぶことも珍しくない。実際にイタリアのアフリカ豚熱を起因とする輸入停止措置は2022年に始まり、一部品目の解除があったものの、2025年の現在まで措置が続いている。スペイン産豚肉の我が国への輸入量は多く、2024年で約17万トン、カナダ、アメリカに次ぐ第三位となっている。割合でいうと2割弱。意外と意識していなかった人は多いかもしれない。スーパーの生鮮肉コーナーでスペイン産の豚肉を見ることはほとんどないからだ。というのも、スペインから日本への船積は京浜地区の港で40日間程度かかるので、通常は冷凍コンテナで輸送される。スーパーの生鮮肉コーナーでは解凍品が売られることはあまりない。これが普段スーパーで目にしない原因だ。もちろん冷凍肉コーナーに行けば普通に豚バラスライスなどは売られている。
では冷凍されたスペイン産の豚肉はどこで使われているのかというと、例えばコンビニ弁当の肉で使われたり、チェーン店の豚丼だったり、ウインナーソーセージなどの加工食品で使われていることが多い。これらは、工場で一旦解凍をしてから加工をする。そのため、鮮度よりもデリバリーの良さが重要となる。つまり必要な時に必要な量が届くこと。冷凍品は2年間程度保管ができるので、この条件にぴったりだ。大量にストックしておいて、工場の稼働に応じて運ばれる。生鮮輸送された肉は鮮度はいい。だが、賞味期限が短く長期間保管できないため、工場で使うには全く適さない。
まぁ加工食品の原料の部分は欧州ではデンマークだったり、中南米ではメキシコ、ブラジルあたりも実績が多いので、そちらにシフトしていくことが想像されるが、やはりニュースで注目されているのは生ハムの動向である。塩のみのシンプルな味付けで長期熟成した豚肉のうまみがつまった生ハム。こればかりは地中海沿岸の気候がないと実現が難しい。2022年のイタリア産豚肉の輸入停止措置が取られたことから、ちょっとおしゃれなレストランで提供している原木系の生ハムはほぼスペインから輸入されていると断言できる。在庫が尽きるのは時間の問題で、これがしばらくのあいだ食べられなくなる。
そんなことを考えていたら生ハムが食べたくなった。新宿の「BERG」へ。
ハーフアンドハーフと生ハムを注文した。


接写してみた。少し厚めで満足感のある一皿。ベルクの生ハムはおそらくスペイン産じゃないとは思うので、今後も提供が続くと予想している。しばらく定番となるかもしれない。ごちそうさまでした。








